皆さんの中には、
・頑張って覚えても、時間が経つと忘れてしまう・・・
・復習してもすでに忘れているから効率が悪い・・・
と悩まれている方がいらっしゃるかもしれません。
暗記はあらゆる勉強の基本で大変重要ですが、決して簡単ではないです。特に、長期的な暗記は短期的な暗記と比べるとテクニック的なものが少なく、反復をするしかないというのも事実かと思います。
それでも、効率よく暗記をするための工夫はあると思います。私自身、医師国家試験では膨大な量の知識を暗記しましたが、自分なりの方法で効率よく暗記を行っていました。
今回は、私が考える長期的な暗記のコツについて解説します。
なお、私は短期的な暗記と長期的な暗記で戦略を変えています。
短期的な暗記に関しては、こちらの記事をご参照ください。
目次
1. 長期記憶とは?
今回の記事における長期記憶とは、
「インプットしてからの期間によらず、必要な時にいつでも取り出すことのできるという状態を保つこと」
と考えてください。
今回想定しているシチュエーションとしては、
- 非常に範囲が広く短期記憶では対応できない様な暗記科目の試験前
- 数学や理科などの定型問題の暗記
などをイメージしてもらえれば良いと思います。
2. 長期記憶の戦略
1. 忘れることが前提
まず大前提として、人間は忘れる生き物です。
中・長期記憶の忘却を表す曲線として、エビングハウスの忘却曲線がよく知られています。
上記のページによると、人間は20分後には記憶の42%を忘れ、1時間後には56%, 1日後には66%, 1ヶ月後には79%を忘れるそうです。
もちろん記憶力には個人差がありますが、一般的に記憶力が良いとされている人も基本的には同様です。
実際に私はこれまで色んな友人に会いましたが、一度覚えた事を忘れないという人を見たことがありません。確かに記憶力の良い人はいますが話を聞いてみると、
- 自分なりの暗記法を確立している
- 覚えたことを頭から取り出す作業を怠らない
- とにかく繰り返し復習している
というケースがほとんどでした。
ここからは、長期的な暗記をする上で私が心掛けていたことを書いていきます。
2. アウトプットを繰り返す
一番大切なのはアウトプットです。短期記憶の記事にも書きましたが、とにかくアウトプットに時間を割いていました。
アウトプットは回数だけでなく、行う時期も大変重要です。というのも、アウトプットの間隔をあけ過ぎてしまうと、完全に忘れてしまって効率が悪いからです。
私の場合は、2回目のアウトプットは翌日、3回目は5日後、その次は10日後などの様に、徐々に間隔を伸ばしていました。間隔に関しては個人差があると思うので、自分に最適な間隔を見つけることが大切だと思います。
また、友達同士でお互いに問題を出し教え合うという方法は非常に有効だと思います。他人に教えるために準備をする事で質の高いインプットができますし、アウトプットの練習にもなります。
3. 記憶容量を有効に使う
通常、人間の記憶量は有限です。多少訓練で増やせるのかも知れませんが、いずれにせよ限界があります。
限られた記憶容量を有効に使うには、少ない労力でできるだけ多く記憶する事が大切です。
そのためには、語源を理解したり、複数の単語を関連づけて覚える事が有効です。また、覚えるときに理屈やメカニズムを一緒に覚える事で、純粋な記憶量を減らす事ができます。
膨大な量の暗記が必要な場合、この様に少しでも覚える量を減らして記憶容量を有効に使う事が大切なのです。
例えば医師国家試験では、各病気毎に、定義や分類、検査法、治療法などを覚えていく必要があります。病気の数は膨大ですので、全て丸暗記ではとても対応しきれません。
そのため、
- 病態生理(病気のメカニズム)をしっかり理解した上で記憶していく
- 関連のある病気はまとめて覚える
などの工夫が重要です。
膨大な量の暗記が必要な場合、この様に少しでも覚える量を減らして記憶容量を有効に使う事が大切なのです。
4. アウトプットの取捨選択を徹底する
記憶容量だけでなく、暗記に使える時間も当然有限です。なので、短い時間でいかに効率よく覚えるかが大切です。
そのためには
- 明らかに覚えている単語や問題を除外していく
- 明らかに覚えていない単語や問題に時間をかけすぎない
事が大切です。
アウトプットによって記憶の定着に繋がる様な問題に重点的にリソースを割く様にしましょう。何事もそうですが、暗記にもメリハリは大切なのです。
以上が私が考える長期記憶の戦略です。ご参考になったでしょうか?
最初に書いた通り、長期記憶に関しては基本的に反復が全てであり、裏技的なものはあまりないかも知れません。
それでも、少しでも効率を上げられる様、工夫していくべきだと思います。なるだけ早い段階で自分に合った方法を確立できると良いですね。
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