生理にお悩みの方へ

生理の回数は減らせる!〜ピルの連続投与〜

ゆき

こんにちは、ゆきです。産婦人科医として働いています。

今日はピルについての解説です。
過去に総論的な記事を2つ書いています(興味があれば下記をご参照ください)が、今回は「連続投与」について焦点を当ててまとめていこうと思います。

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1. 現代の女性の生理の数は昔の約10倍

昔の女性が経験する生理の回数が大体50回前後だったのに対し、現代の女性の生理の回数は約450〜500回前後と推測されており、なんと9〜10倍になっているのをご存知ですか?

昔の女性は第一子の妊娠年齢が早かったですし、今よりも多くの子供を産んでおりましたので、月経がない期間が長かったのです。
時代の移り変わりで、知らないうちに私たちは、月経が多すぎる一生を送らざるを得なくなっているわけです。

月経は毎月くるのが当たり前、むしろズレたらまずいものと認識していますよね。
月経が遅れたり早まったりしたら

  • 体調が悪いのかな?
  • もしかして妊娠した?
  • 何か病気になっていたりしないかな?

など、不安要素として考えられるのではないでしょうか。

月経が大体同じ周期で来るということを1つの身体からのサインとして受け取っていらっしゃる方もいると思います。

2. 月経は毎月来なくても身体的には問題ない

生理にまつわるトラブルが少ない方であれば、生理が毎月くることも「身体のシステムだし仕方ないか」と許容できますが、

  • 生理痛が強い方(月経困難症)
  • 生理前に色々な症状が出るのが辛い方(月経前症候群:PMS)
  • 生理の量が多い方(過多月経)

であれば、

薬で減らせるもんなら減らしたい!

と思うでしょう。
元々は10分の1だった月経。すぐに妊娠を希望する人以外にとっては、生理が毎月くる必要なんてないのです。

ピルを飲んでいる方であれば、調整することが可能です。
月経の回数を減らしたい。それを叶える方法が、ピルの連続投与です。

3. 周期投与、連続投与の違いは?

周期投与と連続投与
  • 周期投与
    1ヶ月に1回(4〜7日間)の休薬期間がある。休薬期間中に出血が起こる。
  • 連続投与
    最大77〜120日間連続して内服できる。その分、生理の回数が減らせる。

簡単に言えば、毎月月経を起こすか、3〜4ヶ月に1回に減らすか、です。

連続投与として処方される薬には下記があります。

連続投与で処方される薬剤
  1. ヤーズフレックス:最大120日間連続服用。3日間連続して出血したら4日間休薬。
  2. ジェミーナ配合錠:最大77日連続服用、7日間休薬。

周期投与と連続投与を比較した研究では、両者の安全性や、ピルをやめた後の妊娠率は同等とされています。

海外では1年以上連続して内服する方法も用いられています。

4. 連続投与のメリット

  • 月経回数が減らせる分、月経にまつわるマイナートラブルが減る
  • 休薬期間に頭痛や気分不快などが起こりにくい
  • 出血日数が少なくなる
  • 子宮内膜症がある人の症状改善効果が高い

ピルを飲まれている方も、従来は毎月休薬期間をもうけて、その間に出血を起こさせるという方法が一般的でした。

しかし、毎月出血を起こさせることによる健康上のメリットはなく、むしろこの休薬期間中に頭痛や気分不快を訴えられることも多いと言われています。
また、休薬期間中に卵胞が発育することで、飲み忘れによる排卵や妊娠のリスクも高まる可能性があります。

連続投与にすることで、そういったマイナートラブルを減らすことができます。

また、子宮内膜症のある方で周期投与による効果が見込めなかった患者さんにも、連続投与を長期に続けることで症状の改善が見込めたという研究結果も出ています。

5. 連続投与のデメリット

  • 不正出血がいつ起こるかわからない
  • 妊娠に気づくのが遅くなる可能性がある

一方で連続投与の大きなデメリットは、不正出血がいつ起こるかわからないという点です。
先ほどから「最大120日内服できる」、というように”最大”とつけているのは、全員が120日間問題なく内服できるわけではないからです。

ある程度の頻度で、内服途中に出血してしまいます

そして連続した出血があれば、自主的に休薬期間を設けてリセットすることが必要です(ヤーズフレックスの場合、連続する3日間の出血があったら4日間の休薬が必要)。

つまり、うまくいく人は120日間出血なくいけるのですが、ある人は100日、ある人は60日しか連続して内服できない…ということが発生するわけです。

出血のしやすさは個人によって大きく異なり、内服を続けることによってある程度の予測はできるようになりますが、いつ出血が起こるかを正確に予測することは難しく、その点が連続投与の大きなデメリットの1つと言えるかと思います。

また出血がない期間が増えるため、もし妊娠していた場合にそれに気付くのが遅れてしまう、という指摘もあります。

6. まとめ

  • 生理の症状が強い人は、ピルなどの薬剤治療が推奨される。
  • 連続投与により、生理の回数を減らすことができる。
  • 連続投与の方が、休薬期間中の症状も起きにくく、出血日数も少なくなる。
  • 連続投与では、予期せぬ時期に出血が起きる可能性がある。
  • 現在ピルを内服している人で、休薬期間中の症状が強い人は、連続投与への切り替えも検討を。

いかがだったでしょうか。
ピルの連続投与についてまとめてみました。身体的にはむしろ利点が多いとされる連続投与。少しでも知ってもらえると嬉しいです。

生理の症状を我慢する必要はありません。
「女性はみんな生理があるんだから我慢しないといけない」という考えは、時代遅れです。

何らかの悩みがある方は、ぜひ気軽に産婦人科に相談してくださいね。

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<参考文献>

  1. OC・LEPガイドライン 2015年度版 公益社団法人 日本産科婦人科学会
  2. Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare : FSRH Clinical Guideline : Combined Hormonal Contraception (2019)
ABOUT ME
ゆき
◆ 医師(産婦人科) ◆ 県立女子高校→地方国公立医学部 産婦人科医の視点から、正確でわかりやすい情報をお届けします。 twitter:@yukizorablog_Y Instagram:yukizora_yuki
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