先日、こんな質問を頂きました。
以前の記事に書きましたが、医者の場合、卒業後に大学院博士課程に進学する人が一定数います。
ですが、大学院に進学するタイミングは人によってまちまちです。初期研修直後に進学する人もいれば、専門医を取った後に進学する人もいます。
私もまだそこまで経験があるわけではないですが、現時点で思っている事を書いてみようと思います。研修医の方や医学生の方の参考になれば幸いです。
目次
1. 基礎研究に興味があるのであれば、なるべく早いタイミングで
質問者さんがどのような研究に興味を持っているかによって話が変わってくると思います。
もし基礎研究に興味があって、将来アカデミアに残りたいと言う事であれば、なるべく早いタイミングで大学院に入学するべきだと思います。
基礎研究をしていく場合、臨床経験を積むことよりも、早いタイミングで基礎研究の訓練を積む方がはるかにメリットが大きいと感じます。
また、グラントの中には年齢制限があるものも含まれています。卒業後に留学する上でも、若いうちの方が選択肢が広がると思います。
2. 臨床的な研究に興味があるなら、専門性を高めてからでも
一方で、臨床的なデータを使った研究に興味がある方の場合は、必ずしも早いタイミングで大学院に進学した方が良いと言うわけではない気もしています。
イメージとしては、臨床をメインで行いながら、臨床で得られた知見をもとに研究を行って、論文を出していくという感じです。
この場合、ある程度専門性や臨床的な経験がないと、臨床的に魅力的なリサーチクエッションをたてることが難しいかも知れません。
3. 診療科によっては、専門医をとってからの方が経済的メリット大かも
研修医の頃はあまり気づきませんでしたが、経済的な心配のない状況で研究をすることは非常に大切です。
以前の記事にも書きましたが、大学院時代の待遇は医局によってまちまちです。しっかり給料をいただけるところももちろんありますが、一方で無給or薄給で勤務を行っている先生がいるもの事実です。
大学院時代は非常勤勤務での給料を頼りに生活する先生も少なくないですが、その際の給料は診療科によって変わります。特に、特定の診療科(放射線科、病理診断科など?)では、専門医の有無でできる仕事の幅とその報酬がかなり変わってくるそうです。
つまり初期研修終了後に大学院に進学すると、経済的にやや厳しい状況で研究生活を送らなくてはならない(ないしはバイトに時間を割かれてしまう)可能性があります。
一方で、専門の有無によってそれほど給料が変わらない診療科もあります。大学院に進学する前に、先輩にしっかりとリサーチすることが大切だと思います。
今回は大学院に早いタイミングで進学することのメリットデメリットについて書いてみました。いかがでしたでしょうか。
私は比較的早いタイミングで大学院に入りましたが、周りを見ていると、最適な大学院進学のタイミングは診療科やその人のキャリアプランよって変わる気がします。まだまだ私も経験が浅いですが、少しでも参考になれば幸いです。
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