非医療従事者向け記事

非医療従事者の方に知っておいて欲しい「医療に関する誤解」とは?

そら

こんにちは、そらです。東大医学部を経て現在は医師・医学研究者として働いています。

私は医師として現場で働いておりますが、患者さんの中には誤解されている人も多いな・・・・と思うことがあります。実際に私の家族や友人達と話しても、誤解しているということがよくあります。

細かい事も含めるとかなり多いのですが、本日は「これは知っておいて欲しいな・・・・」と感じることを4つ絞って、書いてみました。

大切な内容なので、是非最後までお付き合い下さい!

1. 医者はすべての診療科の病気を診れる

医者

医師として働き始めてから、両親や友人に医療相談をされる機会が増えました。それ自体は全然良いですし、可能な限り相談に乗っています。

ですが、自分の専門領域以外のことを聞かれることがあります。

例えば、

昨日から〇〇の症状が出て病院にいったらこの薬が出たんだけど、飲んで大丈夫なのかな?

今まで〇〇の薬を処方されてたんだけど、今度新しく出た××って薬に変更しないかって言われたんだよね。どうなのかな?

といった感じです。

私の専門領域でない場合はすぐに判断できないので、

そら

詳しくないから、〇〇診療科の友人に聞いてみるよ

と言うと、

医者なのに分からないの?

という返事が返ってきます。

もちろん私たちは学生時代にすべての診療科の勉強をしていますし、あらゆる診療科の知識が問われる医師国家試験をパスしています。2年間の卒後臨床研修では多くの診療科で研鑽を積みました。

そのため、専門外の領域でも基本的なことに関してはわかりますし、専門医の先生と話すことはでいます。

ですが、私の専門外の領域の知識は、各科の専門の先生の知識に及びません。知識量も桁違いですし、何より実際に現場での診療を通じて得られる経験値が全く違います。

これはある意味当たり前です。医療は日々進歩しており、毎日のように膨大な量の論文が出版されています。

そんな状況下で、すべての診療科の知識をアップデートし続けるのは不可能です。そのために専門が分かれ、協力体制をしいているのです。

もっと言うならば、同じ診療科の中でも専門によって細かく分かれている事もあるのです。

裏を返せば、あまりにも広すぎる領域を自分の専門範囲として掲げられている場合は、少し注意が必要なケースもあるかも知れません。

2. 夜間帯も日中と同様に診療してもらえる

救急外来.

比較的大きい病院では、夜間帯にも救急外来をあけていて、患者さんを受けいれています。私も研修期間中は夜間の救急外来を担当していました。

救急対応が必要な患者さんを対応することが多かったですが、中にはこのような患者さんもいらっしゃいました。

そら

今日はどうされましたか?

1週間くらい前から腰が痛くて・・・・仕事があって日中は来れないので、今(22時頃)来ました。

そら

そうなんですね。緊急性のある疾患でないかの判断はできますが、夜間帯ですと整形外科の先生がいらっしゃらないので、整形外科的な診察や検査はできないです。

そうなんですか!?
大きい病院なのに整形外科の先生いらっしゃらないんですね。そしたら痛み止めと湿布を2週間分下さい。

そら

申し訳ありませんが、夜間の救急外来はあくまで応急処理になるので、お薬を出せる日数に限りがあります。

え!? 来た意味ないじゃん・・・・

もちろん夜間帯にも病院は稼働していますが、当然マンパワーは日中と比べると限りなく少ないです。

すべての診療科の先生がいらっしゃるわけではありませんし、できる検査も限定されてしまいます。特に専門性の高い分野については診察が難しいケースもあるのです。

また、病院によっては薬の処方期間も制限されていることがあります。以前私が働いていた病院では、平日夜間は翌日分まで、週末は週明けの分までと決まっていました。

お仕事がお忙しくて日中に受診しにくいという気持ちも分かりますが、上記の理由から患者さんにとっては2度手間になってしまう事もあります。

夜間帯は限りあるリソースをできる限り緊急性の高い方に割くためにも、皆さんのご理解をいただけると幸いです。

3. 高額な治療=効果が高い

お金

日本には国民皆保険制度があるため、保険診療に関しては原則3割負担で医療を受けることができます(2020年12月時点では、小学生未満と70歳~74歳は2割負担、75歳以上は1割負担です)。

さらに、高額療養費制度によって、自己負担には限度額が設定されています。海外諸国と比較しても日本の医療保障は非常に手厚いのです。

一方で、公的医療保険の対象にならないような医療も存在します。その中には、「高度な医療技術を用いた医療」であり、有効性や安全性について一定基準を満たすと厚生労働大臣が認めた「先進医療」が含まれます。

先進医療は保険適応外ですが、一定の施設基準を満たした特定の医療機関においては、保険診療との併用することが可能です。つまり、先進医療部分の費用は自己負担となるものの、保険診療部分は原則3割負担となるのです。

一方で、厚生労働省が承認していない医療を希望する場合は保険診療の対象とならず、自由診療という形になります。

自由診療は保険診療と併用することができず、全額自己負担となります。自由診療の費用は国が定めておらず、中には非常に高額な治療も存在します。

もちろん自由診療の中には効果のある治療もあることが多いですが、一方で科学的に有効性が示されていないにも関わらず高額な価格が設定されているものもあるのが現実です。

もちろん自由診療のすべてを否定するわけではありませんが、読者の皆様には、

  • 「ガイドライン」に記されている標準治療が医療の基本であること
  • ほとんどの治療は保険診療でカバーされているということ
  • 自由診療の中には科学的根拠の乏しいものも含まれていること

に注意していただきたいです。

4. 露出度が高いクリニックは信用できる

診療室

最近ですと、テレビCMやネット広告で特定のクリニックをよく目にすると言うことがあるかも知れません。

ですが、必ずしも露出度が高いと言うことは、広告費をかけて宣伝しているということであって、信頼性を担保するものではありません。

そのような病院が、高度な医療を行っているのかと言われると必ずしもそうでないです。

そして非常に残念なことに、ホームページを見てみると、科学的根拠が乏しいと思われる医療をされているケースも実際にあるのです。

そのようなクリニックについてはtwitterなどで医師達が批判していることが多いので、気になる方は覗いてみて下さい。

本日は非医療従事者の方に知っておいて欲しい「医療に関する誤解」について解説しました。いかがでしたでしょうか。

医療従事者の中では当たり前だと思われていることでも、非医療従事者の皆さんには当たり前でないということがたくさんあると思います。それが原因でお互い不幸になってしまうというケースもたくさん見てきたので、読者の皆様と少しでも情報を共有できればとお思い作成しました。

少しでも参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
そら
東大医学部→医師・研究者 | 妻(@yukizorablog_Y)と医師夫婦ブログを書いてます | 医師・研究者のキャリアや科学的根拠に基づいた医療情報を発信 | 火・木・土・日の19時に公開 |
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【そら】
東大医学部→研究医

【ゆき】
◆ 国公立医学部→産婦人科医

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