非医療者向け記事

医学部に進学して研究するか、非医学部に進学して研究するか

研究

ゆきぞらブログを読んでいる大学生の方から、こんな質問をされました。

私は以前に

・東大か医学部か

・医師をしながら研究をするメリット

などについての記事を書きました。

天秤
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研究
医師として働きながら研究するメリットについて医師として働きながら研究するのは時間的な制約があったり、研究者としてのトレーニング開始のタイミングが遅れるといったデメリットもありますが、メリットもたくさんあります。今回は医師として働きながら研究するメリットについて考察しました。...


これらの記事を読んで、医師として働きながら研究をすることに興味を持ってくれる大学生の方が連絡してきてくださったことを、大変嬉しく思います。

そこで本日は「医学部に進むか、非医学部に進むか」について今日は書いてみようと思います。医学部に進むか、非医学部に進むかで迷っている方、またはその親御さんの参考になれば幸いです。

1. 研究者になりたいなら医学部のこだわらず研究環境の整っている大学に進むべきだと思う

実験

私がもし高校生で、研究者になりたいけど金銭面で不安だな・・・と考えているなら、

「医学部にこだわらず研究環境の整っている大学に進み、学生の頃から研究活動に励む」

ことを選ぶと思います。なぜなら、医学部のカリキュラムは研究者としてのトレーニングに最適化されているわけではないからです。

あくまで個人的な意見ですが、医学部は原則、医師になるために必要なトレーニングを行う場であり、研究者としてのトレーニングについてはあくまでその上のオプションのように思います。

最近は研究活動を行いながら医学部のカリキュラムをこなすコースが用意されている大学もありますが、実際にその恩恵を受けている学生はそこまで多くない印象です。

また、医学部だと研究テーマもある程度限定されてしまう可能性があります。もし研究に興味があるなら、自分が研究者としてトレーニングする上で良い環境に身を置くことを最優先するべきだたと思います。

大学で研究をするなかで

・医学系の研究に興味があることを再認識する

・研究者と医師の二足のわらじに興味がある

・どうしても金銭面に不安がある

といった場合は、学士編入や再入学を検討すれば良いと思います。

長い人生、同級生よりも数年卒業が遅れたとしても大した問題になりませんし、研究に取り組んだ数年間の経験はどこかで役に立つ可能性が高いと思います。

2. 医学部への進学を検討してもよいのかな・・・というケースもあると思う

医者

これまで書いてきたように、基本的に医学部にこだわらず研究活動を行う上で良い身を置くべきだと思いますが、

・医学系の研究or 医療×〇〇の研究に興味がある

・研究環境の整っている大学の医学部に入学することが(学力的に)できそう

・金銭面での安定を重視する

という場合は、医学部への進学を検討するのもよいと思います。

金銭面については現時点では確かに医師免許を持っていると優遇される傾向にあります。

ただ、医師の収入の多くは保険診療によるもので、国の財政状況や政策に依存しています。そのため、今後医師の待遇がどうなるかはなんとも言えません。

逆に、SNSなどにより個人の発信力が高まったり、海外企業に就職する方が増える中で、非医学部の研究者のキャリアが多様化したり、待遇が今よりも良くなる可能性は十分あると思います。

なので、そのあたりも考慮して決められるとよいかと思います。

3. 医学部に進学して研究を行う上で気をつけるべきこと

研究

もし医学部のカリキュラムをこなしながら研究活動を行うなら、

「学生時代に周りに流されない」

ことが大切だと思います。

医学部は閉鎖的な世界ですし、研究活動や論文執筆も義務ではないので、強い意志をもっていないと研究活動を続けることは難しいと思います。

ただその分、医学部に進みながら研究を行う人は多くないので、しっかり取り組めば周りと差別化できると思います。

私の同級生にも、学生時代から研究に打ち込み、すごい実績を挙げている人がいました。

また、医学以外の分野について研究するのも選択肢に入れても良いかもしれません。普通の医学部のカリキュラムにそって進むと、情報系や工学系、数学系の専門性はなかなか身につかないので、これらの専門性を持った医学研究者は重宝されると思います。

さらに、研究活動を行う上で収入をしっかり確保することも大切だと思います。その際は、「どの診療科を専門にするか」についてきちんと考えることが大切だと思います。こちらについては後日また記事にできたらと思います。

本日は医学部に進むか、非医学部に進むかについての質問に答えてみました。いかがでしたでしょうか?

私自身は医学部に進学し、医学部のカリキュラムにそって進んだ上で、卒後臨床研修後に研究を始めました。医師として働きながら研究を行うメリットはもちろんありますが、もし自分が高校生ならこのあたりに気をつけるかな・・・というところをまとめてみました。

医学部に進むか、非医学部に進むかについてはその人の状況によって変わるので一概にいえないので難しいですが、将来の進路、お子さんの進路で迷っている方の参考になれば幸いです。

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そら
医師・研究者 | 妻(@yukizorablog_Y)と医師夫婦ブログを書いてます | 医療や教育に関する記事を残していこうと思っています。
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