非医療者向け記事

このままの待遇だと、研究に携わる医師はどんどん減ると思う

研究者

私は以前に、このようなツイートをしました。

私自身は医師免許を持ちながら研究に従事していますが、周りの大学院生の先生方の話を聞いていると、研究に興味があり、大学院卒業後も研究を続けたいと言う方は少数なように感じます。

そこで今回は、医師免許を持ちながら研究をする環境の現状と問題点について少し考えてみようと思います。

1. 研究に対して支払われる対価が少ない

お金

自分が一番問題だと思っているのが、研究に対して支払われる対価が非常に少ないということです。

研究を行うにはその分の時間を確保し、多くのエネルギーーを注ぎ込む必要があります。研究成果を論文として発表するには非常に長い時間がかかりますし、お金も必要です。ですが、研究者として雇われていない場合、これらの行為に対して報酬が支払われることはないです。

非常に優秀な研究者の場合、奨学金や助成金をもらえることもありますが、限られた人のみです。自分の周りを見ていると、医師として働いてお給料をもらいながら、無報酬で研究活動をしているという方が大半です。

私自身は、医学研究にはそれ自体に楽しさややりがいがあると思っているので研究をしていますし、今後も続けたいと思っています。ですが、医師全体で見るとこのような考えを持っている人は多くないと感じます。

医学を発展させていく上で研究活動は非常に重要ですが、何かしらの形で対価が支払われるようにしないと、研究に携わる医師はどんどん減っていくと思います。

はくぎんちゃん

お金のことを考えると、研究せずに医師として働いた方がメリットが大きそうだよね。素人目に見ても、研究者がどんどん減る気がするよ・・・

そら

そうね・・・難しい問題だね。

2. 日常業務が忙しくて研究に労力を割けない

二つ目の問題として、日常業務が忙しくて研究活動に労力を割くことができないということがあると思います。

私が以前働いていた病院では研究マインドを持った先生が何人もいらっしゃいました。ですが、日常業務が忙しくてそこまで手が回らないことが多い印象でした。せっかく貴重なデータがあるのに、それが論文という形で共有されないのは大きな損失だと思います。

業務の効率化によって、医師が研究にされる時間をもっと増やすべきだと感じています。

3. 研究に対する報酬少なさがSNSによって拡散され始めている

ソーシャルメディア

医師の世界は非常に閉鎖的です。これまで上げたような問題は以前からありますが、SNSの発達によって医学生や若手医師に少しずつ浸透してきているように感じます。そうなると、経済合理性を考え、研究活動を一切せずに医師として働くという選択をする人も増えてくると思います。

私自身はすべての医師が必ずしも研究活動をしなければいけないとは思っていませんし、いろんな働き方をする医師が増えることは良いことだ思っています。

ですが、このまま医学研究の評価や待遇は改善されない限りと、優秀な研究者は減る一方だと思いますし、どんどん海外に流れてしまうと思います。

研究活動を活発化するために、研究活動に対する対価が支払われるような仕組みが必要ですし、研究者側も自分の研究内容をきちんとアピールしていく、世間に対してアプローチしていくことが必要だと思います。

はくぎんちゃん

今後はSNSを通じて研究者自身が発信していくことも大切になりそうだね。

今回は医学研究者の待遇やその問題点についてお話ししました。いかがでしたでしょうか。

医学の発展のためにも、できる限り研究活動に対する報酬が増えて欲しいなと思いますし、研究活動に時間を避けるような労働環境になって欲しいなと思います。少しでも現場の声が届くと嬉しいです。

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そら
医師・研究者 | 妻(@yukizorablog_Y)と医師夫婦ブログを書いてます | 医療や教育に関する記事を残していこうと思っています。
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