医学部・医師

研修病院の選び方について[現役医師が解説]

病院
そら

こんにちは、そらです。東大医学部を卒業し、現在は医師・医学研究者として働いています。

読者の方から、研修病院の選び方について質問されました。

医学部生ですが、研修病院の選び方が分からないです。何を重視して選んだらいいのでしょうか?

確かに研修病院は無数にあるため、何を基準に選べば良いか難しいですよね。私も医学部5年生の頃にどの研修病院にしようか迷って部活の先輩方に相談の乗ってもらいました。

今回は私と同じような悩みを持った方々に向けて記事を書きました。

研修病院を迷われている方にとっては参考になる内容だと思いますので、是非最後までご覧下さい。

1. 研修病院の選び方[総論]

選択肢

1. いろんな人から情報を入手して吟味する

前提として、人によって研修病院に求めるものが違います。

例えば、

  • とにかくたくさんの経験を積みたい人
  • 体力に自信がないので当直が多くない病院で研修したい人
  • 研究を続けながら研修をしたい人
  • 留学に向けての準備や人脈作りをしたい人

など、いろんなケースがあると思います。

なので、基本的にはいろんな人の意見を聞きながら、自分のケースに落とし込んで判断することになると思います。

2. どの人の意見が最も信憑生が高いか判断する

基本的にはいくつかの病院を候補にあげて、情報収集がてら見学に行くことになると思います。その際に注意しておくべきなのは、初期研修の先生のいう事を全て鵜呑みにしないことです。

すべての病院で研修したことがある人はいないので、基本的にはバイアスがかかります。それに、人間は自分の選択を正当化する傾向にあるので、どうしても良い面がクローズアップされる傾向にあります。さらに言うと、1年目の研修医ですとその病院の研修が本当に良いのかどうか判断出来ていない可能性もあります。

そのため、理想を言うならば

  • 元々知り合いor知り合いから紹介してもらった人
  • その病院で実際に2年間研修をした人
  • その人が研修医として入ることに対して利害関係のない人

から情報を入手することができると良いと思います。

3. 人事異動のリスクを考える

たまに
「〇〇先生がいるからこの病院で研修したい」
という人がいますが、注意が必要です。

というのも、医局から派遣されている比較的若い先生は頻繁に転勤があります。そのため、せっかく病院に内定しても、働く頃にはその先生がいらっしゃらない可能性があります。

また、研修医の雰囲気も同様でして、代によって雰囲気がかなり違うということもよくあります。これらのリスクを考慮した上で病院を選ぶようにしましょう。

ここから先は、私がもう1度研修するとした際にどの点を重視して病院を選ぶのか解説します。あくまで1個人の意見ですので、参考程度に読んでいただければ幸いです。

2. 研修病院の選び方[各論]

病院

1. 様々な診療科の研修ができる病院

私は、初期研修の間は将来進む科以外の科をとるべきだと思っています。(ただし、この診療科に進むと決めていてそれ以外の科に興味がない、何らかの理由で後期研修医並みの経験ができるなどの場合は例外です)。

理由は以下の3つです。

  • 初期研修医としてローテトして得られる経験や知識は、後期研修医としてローテートした際に得られる経験に劣るから
  • 働いてみて初めてその診療科の魅力に気づくことがあるから
  • 専門科に進んだあとも、様々な科の経験が生きることがあるから

例外ケースを除き、初期研修医に任せてもらえる仕事は後期研修医に劣ります。そのため、初期研修医の際に将来進む科を長期間とるのは費用対効果が悪いと思います。それであれば、初期研修医時にしか得られない経験に時間を割くべきだと思っています。

具体的には、なるべく多くの科をローテートするべきだと思います。他の診療科の経験は専門科に行っても役立つことがありますし、何より働いてみて初めてその診療科の魅力に気づく事があるからです。実際、私も学生の頃は考えていなかった診療科に進みました。

2. 1ヶ月ローテかつ2年目に選択科目枠のある病院

私は1ヶ月毎にローテートする研修が良いと思っています。理由は、限られた期間に多くの診療科を経験する事ができるからです。

一方で、
「1ヶ月ではその科の知識を身に付けるには不十分では」
という意見もあると思います。

確かに1ヶ月回ったよりも2ヶ月回った方が得られるものが多いという意見には同意ですが、研修期間は限られています。限られた期間でより多くの経験を得るには2~3ヶ月でローテートしていくよりも

  • 2ヶ月回る人よりも経験が浅くなることを自覚し、2ヶ月分の研修をするくらいの意気込みで1ヶ月間の研修に取り組む
  • その上で、もっと学びたいと思った科は2年目に再度ローテートする

方が得られるものが多いと思っています。

この方法のメリットは

  • 1ヶ月しかないと思って研修に取り組むことで、だらだらとしない
  • 2ヶ月以上回る科目を後出しで決める事ができる
  • 研修医としての経験値をある程度積んだ上で再度ローテートする事で、2回目のローテートでより多くのことを吸収できる

ところだと思います。

3. どの診療科に進んでも役に立つような診療科が充実している病院

具体的には、救急科や総合診療科、感染症内科です。これに関しては一般的に知られていると思います。

一方で、あまり知られていませんが、放射線科や病理診断科といった科も大変重要です。初期研修後の夜間当直などでは、1人でレントゲンやCT画像を読影しなければなりません。その際に、放射線科でのローテートは大変役に立ちます。

また、特に外科系を希望する先生は、病理診断科のローテートをおすすめします。専門医として手術をしたり、学会発表をしていく中で、病理の知識は必ず役に立ちます。また、病理の先生が求めている事もある程度理解できると思うので、病理部とのコミュニケーションもはかりやすくなるかと思います。

4. 給料が安すぎない病院

私はあまり気にしていませんでしたが、研修病院の給料は必ず確認しておくべきです。なぜなら、医学書を購入したり、勉強会に参加したりする際に、お金を気にして躊躇してしまうのはもったいないからです。

3年目以降に大学院に入学する場合、収入が激減する可能性があります。実際に筆者も、収入が激減した経験があります。そのためにも、よほどのメリットがない限り、給料が安すぎる病院はおすすめしません。

5. 設備が充実している病院

病院の近くに寮ないしは借り上げマンションがある病院をおすすめします。

なぜなら、

  • 通勤時間がもったいない
  • 家賃がもったいない

からです。

税金の観点からも、非常に安い価格で寮に住める、ないしは病院が家賃補助を出してくれるというのは大変魅力的です。

住居に加えて、図書館が充実している、電子ジャーナルの契約数が多い、up-to-dateが使用できるなども確認しておくべきです。

6. 臨床研究活動を積極的に行う医師が多い病院

研修期間中に、学会発表をする機会があるかと思います。場合によっては、論文執筆の機会があるかもしれません。その際に、どの先生に指導してもらうかが大変重要です。そのため、アカデミックな活動を積極的にされている先生が多い病院をおすすめします。

病院のHPなどで、最近の論文執筆状況を確認してみると良いと思います。

今回は研修病院の選び方について解説しました。いかがでしたでしょうか?

研修病院を選ぶ際に何を重視するかは人によって違うので一概には言えませんが、少しでも参考になる箇所があれば幸いです。

なお、研修病院に関してはこちらの記事もご参照下さい。

病院
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基本的には同世代の夫婦に向けて発信しているので研修関係の話はしてきませんでしたが、希望があれば書いていきます。気になることがあればぜひコメント下さい。

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ABOUT ME
そら
医師・医学研究者 | 東大医学部卒 | 産婦人科医ゆき( @yukizorablog_Y)と夫婦でゆきぞらブログを運営 l 毎日19時に投稿 | 幼少期から医師になるまでの勉強への取り組みや科学的根拠の基づいた医療情報を発信 | 質問箱はこちらhttp://peing.net/ja/yukizorablog
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◆ 国公立医学部→産婦人科医

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