非医療従事者向け記事

非医療従事者が正しい医療情報を見極めるために大切なこと

情報

私は先日、こんなツイートをしました。

このツイートに対し、「正しい医療情報の入手方法が分からない・・・・」とのご意見を頂きました。

確かに、非医療従事者の方が世の中に流れている医療情報を吟味し、その判断をするというのはかなり難しいと思います。私たち医療従事者でも、判断が難しい事もあるからです。

そこで今回は、非医療従事者の方が正しい医療情報を見極めるための現実解について考察します。

非常に大切な内容なので、是非最後までお付き合い下さい!

1. 世の中には間違った医療情報が溢れかえっている

添付ファイルの詳細

まず大前提として、世の中に流れている医療情報には科学的な根拠のないものやそもそも間違っているものが沢山あります

少し前に問題になった血液クレンジングもそうですし、インフルエンサーの方が宣伝されているNMNサプリなどもその例です。

あとは、一部の自由診療にも科学的根拠のない高額な治療があります。これに関しては以下の記事もご参照下さい。

非医療従事者の方に知っておいて欲しい「医療に関する誤解」とは?医療従事者にとっては当たり前でも、非医療従事者の皆さんには当たり前でないことがあります。それが原因でお互い不幸になってしまうというケースもあります。そこで今回は、非医療従事者の方に知っておいて欲しい「医療に関する誤解」について解説します。...

非常に残念なことに、これらの情報がインフルエンサーの方によって拡散されてしまっているのです。

中には、薬機法に違反しているにも関わらず、効果効能をうたって販売しているケースもあるのです。

これは大問題なのですが、野放しになっている以上、自分の身は自分で守るしかありません。

ゆきぞらブログの読者の方には、医療リテラシーを高めて、間違った医療情報に惑わされないようにして頂きたいと願っています。

2. とは言っても非医療従事者には限界がある

悩み

とはいっても、非医療従事者の方が、医療情報のみからその信頼性を判断するのは現実的に難しいと思います。なぜなら、発信者はあの手この手を使って(時には嘘をついて)いかにも科学的に証明されているかのようにみせるからです。

このように、非医療従事者にとって医療情報の信頼性の判断は難しいのですが、これはある意味当たり前なことです。専門以外のことに対する判断が難しいのは医者も一緒だからです。

一昔前、「かぼちゃの馬車」事件が世間を騒がせたのをご存知でしょうか?スルガ銀行が悪徳不動産業者と結託して不正融資を繰り返していたという事件です。

この事件により融資を受けて投資用不動産を購入した投資家の多くが大きな損害を被りましたが、投資家の中には相当数の医師も含まれていたのです。つまり、医者も専門外のことなると正しい判断をすることが難しいのは一緒なのです。

では、非医療者が医療情報の正当性を判断するには、現実問題としてどうすれば良いのでしょうか?

3. 「誰が発信しているか」で判断せざるを得ない

選択肢

私は現実問題として、

「誰が発信しているか」

である程度判断せざるを得ないと思います。なぜなら、これまで書いてきたように、医療情報のみからその信頼性を判断するのは専門家でも決して簡単でないからです。

もちろん最低限の医療リテラシーを身にるけることで、

流石にこれはあり得ないよね・・・・

というような判断ができればベストですが、皆さんは仕事や子育てなどでお忙しいと思いますし、現実問題としてなかなか難しい気もします。

その場合、やはり誰が発信しているかである程度判断せざるを得ないと思います。

信頼できる発信者の情報を集めていくというのは一歩間違えると危険なのですが、1人のみを信じるのではなく、複数の発信元の情報から総合的に判断することで、間違った情報に騙されてしまうリスクを抑えることができます。

それでは、信頼できる発信者を見極めるにはどうすれば良いのでしょうか?

4. 発信者を見極めるポイント

1. 公的機関の情報を最優先

学生

まずは公的機関の情報を調べるようにしましょう。

例えば、癌領域であれば国立がん研究センターが運営しているがん情報サービスで情報取集してみましょう。様々な癌種に関する情報が非常に詳しく書いてあります。

がんセンター
がん情報サービスより

癌の事であれば、病態や検査、治療、予防など非常に幅広い情報が書かれています。癌に関しては正直このHPに書かれている内容で十分すぎるくらいなので、癌について詳しく知りたい方はこのHPを覗いてみて下さい。

2. インフルエンサーの健康情報は信じない

SNSではインフルエンサーの方が様々な医療情報を発信しています。ですが、

くれぐれも信じないようにして下さい。

インフルエンサーの方が発信しているサプリメントや美容に関する情報の大半は科学的な根拠がありません。

知的レベルも高い方でも、他分野になると情報の真偽を確かめるのは簡単ではありません。

そもそも、論文の内容を吟味し、科学的妥当性を判断するのは専門の医師であっても神経を使う作業なのです。それを背景知識のないインフルエンサーの方がやるのはそもそも無理な話なのです。

中には企業からお金をもらってサプリメントやとんでも医療を発信しているインフルエンサーの方もいるので、くれぐれもご注意下さい。

3. 医師だからといって全て信用しない

非常に残念な話ですが、医師の中にも平気でとんでも医療を発信している方がいらっしゃいます。同業者としてはただただ悲しいですが、とにかく皆さんに注意喚起することしかできません。

そのような方を見極めるポイントとしては、twitterなどで他の医師とのやりとりを見てみることだと思います。もし、

  • 多数の医師から間違いを指摘されている
  • 大量のブロックをするため、他の医師とのやりとりが極端に少ない

といった傾向がある場合は、要注意です。

あとは、経歴を見てみるのも一つの手です。とんでも医療を発信している方は、医師が見れば明らかにおかしいと感じるような経歴や肩書きを公表していたりします。

例えば、きちんとした研修を受けずに専門家であると主張したり、誰でも取れるような資格を大々的に書いてアピールしたり等です。もし知り合いに医師がいるようであれば、相談するのも良いと思います。

一方で、twitterの中には正義感を持って正しい情報を発信している多数の医者・研究者の方がいらっしゃいます。

今回のコロナ関連で言うと、感染症疫学分野の第一人者である西浦先生など、著名な先生方も有益な情報を発信されています。

そのため、twitterで医師同士のやりとりを参考にしながら、複数の先生をフォローして情報を収集するのが良いと思います。

繰り返しますが、私も含め、くれぐれも特定の1人の情報のみを信じることはないようにして下さい。

5. 信頼性される発信者になるために

医師

世の中に間違った情報が溢れかえっている以上、これからの時代は「誰が発言したか」によってその情報の信頼性が判断されることになると思います。

その上で、SNS上における個人の信頼度というのが非常に重要になってくると思います。

Twitterやブログでは、正しい情報、有益な情報を発信していると、他の医者さんからも評価してもらえます。そうすると自然と信用が高まり、発信力も高まっていくと思います。

一方で偏った情報や間違った情報を発信していると同業者から指摘され、個人の信頼性が低下していきます。

私たち夫婦は

「産婦人科領域の医療情報や継続学習・教育に関する情報についてはゆきぞらブログを信用しよう」

と思っていただけるような存在になりたいと思っています。そのために、有益な情報をどんどん発信していこうと思っています。

今回は、非医療従事者の方が正しい医療情報を見極めるための現実解について考察しました。いかがだったでしょうか。

間違った医療情報が溢れかえっている現状、自分自身の身は自分で守るしかありません。そのためには、医療に関する情報リテラシーを高めることが大切です。

難しいテーマではありますが、今回の記事が少しでも皆様の役に立てば幸いです。

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そら
医師・研究者 | 妻(@yukizorablog_Y)と医師夫婦ブログを書いてます | 医療や教育に関する記事を残していこうと思っています。
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