先日、妊娠中の新型コロナウイルス感染について、最近の知見をもとに産婦人科医からの現場の意見をお届けしました。

医療現場は今、混乱を極めつつもCOVID-19に必死に立ち向かっています。SNSやマスメディアが「医療崩壊」という言葉をよく使っていますが、確かに現場にいるとじわじわと蝕まれているのが分かります。
ただ、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けたのは、当たり前ですが医療従事者達だけではありません。
逆に仕事と給料を突然取り上げられてしまった職業もある訳です。
失業者もたくさん出ました。それらの業種の人たちのことを考えると、また違った辛さがあります。
今日は、私の実の妹であり、客室乗務員(CA)である”はやね”に、コロナvs客室乗務員というテーマで記事を書いてもらいました。
目次
補足. “はやね”について

はやねは、私の実妹です。振り返ってみれば、小学校〜大学までずっと同じ学校でした。
大手航空会社で客室乗務員として働き、早6年目。
新型コロナウイルス感染症による影響を大いに受け、秋からブログも開設しています。
- ブログ:hayalog
- Twitter:@hayalog_hayane
- Instagram:hayalog_hayane
ブログでは「エアライン」「旅行」「英語」「就活」を4つの軸に、少しずつ記事を積み上げている段階です。
Twitterでは客室乗務員としての呟きや就活生への応援、Instagramでは各国の映える写真をたくさんあげています。
Instagramの写真を見るだけでも、旅行した楽しい気分になること間違いなし。良ければぜひ見てみて下さい。
それではバトンタッチします。よろしくね。
はじめまして、はやねです!客室乗務員として勤務しています。
2019年12月以降、コロナウイルスの影響を受け、各界大変な状況を過ごされていることと思います。
今回はコロナ禍で仕事が激減してしまった客室乗務員が現在どのように過ごしているか、その職の少し変わった特徴に焦点を当てながら説明していきます。
1. 航空業界の現状

コロナによる【自粛ムード】と【各国の入国制限】の影響を受け、航空業界はかつて経験した事がない程の需要減退に直面しています。
世界では大手航空会社の経営破綻や大量のリストラが後を絶ちません。日本国内で見ても、JALやANAの大手でも雇用に関して前代未聞のインパクトのあるニュースを目にする機会が多々あります。
観光需要の低迷に限らず、普段出張等で繰り返し利用して下さっているビジネスマンの方々も、リモートワークの急速な普及により飛行機に乗る機会が激減してしまいました。
そのためFSC(Full Service Career)/LCC(Low Cost Career)問わず、間引き運航や機材の縮小化を避けられなくなってしまったのです。
併せて、2020年7月から開催予定だった東京オリンピック/パラリンピックに向け大量採用されていた私たち客室乗務員は、乗務する機会を(ほぼ)失ってしまいました。
2. 平均”約12時間/月”の乗務時間

コロナ以前の私の乗務比率は国内線:国際線=2:8でした。
大半を占めていた国際線の乗務機会がほぼなくなった為、乗務時間(上空で仕事をしている時間)はかなり限られてしまいました。
例えば、私の今年度の乗務時間は以下の通りです。
- 4月:8時間
- 5月:0時間
- 6月:13時間
- 7月:7時間
- 8月:23時間
- 9月:28時間半
- 10月:22時間
- 11月:27時間
- 12月:20時間
普段は75〜80時間/月ほどですから、比較すると平均して20%程しかない事がわかります。
経営が厳しい現在も、雇用体系が維持されているという点ではまだ救いがあるのかもしれませんが、基本給はやや低め+手当や賞与がやや高めという少し変わった年収額の傾向を持つ客室乗務員にとっては厳しい懐事情になってしまいました。
基本給が安く、飛行機に乗った分だけ上がる給料制度。
仕事が無くなり、ダイレクトに給料が減っていくのは、側から見ていてもかなりキツそうでした。
しかしながら、これまで早朝の業務や夜通しのフライト、海外との時差で身体への負担が大きかった私たちにとって、今回の状況は視点を変えてみれば悪い事だけではありません。
3. 現状のメリット

ここからは現状をポジティブに捉えた上で、今私たちがどのように過ごしているかについて焦点を当ててみます。
1. 人間らしい生活を送る事が出来る
客室乗務員は担当する便に合わせて出社する為、その時間帯は早朝/深夜を問いません。早い時には”3時起きで仕事!”のように、朝の情報番組に出ているアナウンサーかのような日もあります。
国際線を担当する際は15時間連続勤務するようなこともありますし、午前中に日本を出発したのに到着したらそこも10:00amだった!なんてこともよくある話です。
もちろん時差ボケしないように各々努力はしているのですが、少なからず身体に負担がかかってしまいます。
現在は規則正しい生活を送り、温かいご飯を食べ、常に自身のベッドで寝ることが出来ている為、身体の調子を整えるという点で良い期間です。
2. 趣味や勉強に時間を費やせる
前述した理由から、コロナウイルスが流行するまで、休日は体内時計を元に戻したり足りていない睡眠時間を補ったりする事に時間を多く使っていました。
特に私は、時間の使い方が上手ではなかったので、隙間時間で資格の勉強をしたり、見識を広める為に何かに取り組んだりする事が苦手でした。
現在のように山ほど時間がある状況では、やりたいと思っていたけど手を付けられていなかった事や新しく興味を持った事に取り掛かろうという気持ちが自然と湧いてきます。
私自身は現在、
- 英語(TOEIC)力向上
- 秘書検定1級
- FP3級
に取り組んでいます。
英語は元々好きだったので、本を読んだりする機会も多かったのですが、秘書検定とFPは初挑戦です。
欲張りすぎでは?!とも思いますが、時間がたっぷりある分、飽きたら勉強する物を変えたりして少しずつ進めています。
知り合いの客室乗務員たちも、語学やワインや日本酒の検定、ユニバーサル検定等幅広い分野で知見を広めているようです。また、少し手の込んだ料理に挑戦したり愛犬のお洋服を手作りしたり等、新しい趣味を見つけている人もいます。
時間があるからこそ、新しいことに挑戦する姿勢は大切ですね。他の技術・知識が身についたら、本職にも活かせるだろうし。
3. 土日休みの友人や家族に時間を合わせられる
客室乗務員の仕事は365日あります。したがって、土日やGW、お正月なども関係なく勤務があります。
私が入社してからの5年間、家族とGWやお正月を過ごせたことはありません。はじめは海外で年を越す事にワクワクもしましたが、”お正月らしさ”を感じられないことに寂しく思ったりもしました。
しかしこのような状況下で乗務機会が激減した為、土日も自分の時間がある日がほとんどです。
これまでなかなか会えなかった友人と久しぶりの再会が出来る等、人脈をより大切にする事が出来ていると感じます。子供と過ごす時間が増えたというママさんCAも多くいます。
4. まとめ

お給料の総額が下がってしまったり、これまで仕事で得られていたやりがい・達成感を感じにくくなったりなど、痛いところもたくさんありますが、この状況下だからこそできる時間の使い方で有意義に過ごすことも出来ます。
以前のように世界各国を自由に行き来できるようになった時、お客様にたくさん喜んで頂けるようにと一人の人間としてレベルアップする為に設けられた温存期間だと捉え、私自身も前向きに取り組んでいこうと思います。
みなさんとまた機内でお会いできることを楽しみにしています。
今日は少し趣向を変えて、客室乗務員のはやねに記事を書いてもらいました。hayalogも是非覗いてやって下さい。
改めて、職業によって色々な大変さがありますね。
ゆきぞらブログでも今後、他職種の人の色々な意見を拾っていけたら良いなと感じます。
リクエストがあればいつでもお待ちしています!
最後に、少しでも多くの方にこのブログをご覧いただけるよう、応援クリックよろしくお願いします!

ゆきです。今回は妹の”はやね”に登場してもらいます。