医学生・研修医向け記事

研修病院としてハイパー病院を選ぶ際の注意点

病院

読者の方から、研修病院の選び方について質問されました。

研修病院の選択で迷っています。

「初期研修はどの病院でやっても大差ない」とおっしゃる先生もいれば、「初期研修は忙しい病院で力をつけた方が良い」とおっしゃる先生もいます。

私自身はハイパー病院でバリバリ働いた方が力が付くのかなと思っているんですが、そら先生はどのようにお考えでしょうか?

確かにどの研修病院を選べば良いか、難しいですよね。私自身も、学生時代にいろんな方に聞きましたが、人によって言う事が違って困っていました。

私自身が考える、良い研修病院についてはこちらの記事にまとめたので、読んでない方はこちらをご覧ください。

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研修病院の選び方について[もう一度研修をするならココを重視します]研修病院は無数にあるため、何を基準に選べば良いか難しいですよね。私も医学部5年生の頃にどの研修病院にしようか迷って部活の先輩方に相談の乗ってもらいました。今回は私と同じような悩みを持った方々に向けて記事を書きました。...

その上で、今回はハイパー病院での研修に対する私の考え方をお伝えします。

1. ハイパー病院とは

手術

ハイパー病院という言葉が聞き慣れない方もいらっしゃると思います。人によって多少の定義の違いはあるかもしれませんが、ここでは、「仕事量が多く忙しい病院」のことを指すものとします。

日本全国には様々な病院があり、病院ごとに研修体制や忙しさ、待遇面などはまちまちです。特に医者の人数や忙しさについてはかなり差があります。

私が初期研修を行っていた病院も比較的忙しい病院でした。当直翌日は通常勤務、科によっては24時間オンコールのこともありました。

一方で、同級生の中には原則9時-17時の勤務で、当直翌日は半日休という病院で働いている人もいました。この辺りは本当にまちまちなので、マッチング前に必ず確認するようにしましょう。

2. 私の初期研修医時代の生活

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私は初期研修医時代、かなりアクティブに働いていたと思います。新しいことを学べるのが楽しかったですし、日々できることが増えていくのも嬉しかったからです。

平日は病棟業務や手術、救急外来などを担当し、時間外や休日は各ローテート科の本を読んで勉強していました。輪読会や研修医内での勉強会も多かったので、その準備をしたりもしていました。

2年間で色々な診療科を回らせていただきましたが、その中でも放射線科での研修が特に楽しかったです。放射線科のローテート中は時間外や土日も1人で病院にいて本を読みながら読影をしていました。

また、上級医の先生にご指導頂き、初期研修中に論文執筆も行いました。私は学生の頃に論文執筆の経験がなかったのですが、研修中に論文執筆の楽しさに気付きました。そのため2年目になると、時間外や土日は図書館で調べ物をしたり、論文執筆をしたり、医学統計の勉強をしたりして過ごしていました。

3. 初期研修医時代にアクティブに取り組むことは重要

医者

色々な意見があると思いますが、私自身は初期研修医時代の取り組みは非常に重要だと思っています。なぜなら、初期研修中は医師の基礎を築く貴重な期間であり、初期研修での働き方がその後の働き方の基準になりやすいと思うからです。

実際に周りを見てみても、初期研修の頃に熱心に取り組んでいた同級生は、今でもアクティブに働いているような気がします。もちろん人それぞれ状況や価値観が違うので、医者としての仕事にどれくらいエネルギーを割きたいかは違って当然だと思います。

ですが、質問者さんのように医者として少しでもレベルアップしたいと考えているのであれば、初期研修の期間をいかに有効活用するかはしっかり考えた方が良いと思います。

4.  ハイパー病院での研修の注意点

医師

私自身、ハイパー病院でたくさんの経験をすることは良いと思っています。ですが、「忙しさ」の内容をしっかり吟味する必要があります。

「忙しい病院」の中には「システム上やマンパワー上の問題があり非効率的なので忙しい」というケースもあるかも知れません。そのような環境では自分自身の成長に繋がりにくいと思います。

また、研修病院によっては忙しすぎて勉強する時間がないという病院もあるようです。どんなにモチベーションがある人も、あまりに忙しいと体力面、精神面でしんどくなってきます。そうなると、よほどの人でなければ仕事後に自己研鑽を行うモチベーションが保てなくなってきます。体力面、精神面である程度余力を残した状態をキープすることは非常に大切だと思います。

ここまで読まれた方の中には、

それなら、忙しくない病院で研修した方が良いのでは?

と思われる人もいるかも知れません。確かに人によっては時間的にゆとりのある病院で研修した方が合っているかも知れませんが、

  • 医療は現場にいて経験することで習得できることも多い
  • アクティブでないような小規模病院だと、学術面での指導ができる先生が少なかったり、データベースの整備状況や論文アクセス状況が不十分な可能性もある
  • ハイパー病院の方がモチベーションの高い同期が多い可能性が高い

などの点には注意する必要があります。研修期間中にはどうしてもしんどい時期があると思います。そんな時に同期の仲間が前を向いて頑張っていれば、自分も頑張ろうというエネルギーがわきやすいと思います。

今回は研修病院としてハイパー病院を選ぶ際の注意点について解説しました。いかがでしたでしょうか?

長々と書いきましたが、全ての人にとって完璧な研修病院は当然ないのです。自分が何を重視したいかを考えた上で初期研修病院を選ぶことが大切だと思います。研修病院選びで悩む方の参考になる箇所があれば幸いです。

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そら
医師・研究者 | 妻(@yukizorablog_Y)と医師夫婦ブログを書いてます | 医療や教育に関する記事を残していこうと思っています。
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