こんにちは、そらです。
東大医学部を経て現在は医師・医学研究者として働いています。
以前に東京大学についてまとめたので、東京大学についてよく知らないという方は下の記事をご参照ください。

10年以上前になりますが、「東大合格生のノートはかならず美しい」という本が出版され話題になりました。かなりインパクトのあるタイトルですが、果たして東大生のノートが必ず美しいというのは本当でしょうか?
はっきり言って東大生も千差万別ですので、個人差がかなりあります。個人的には、全員のノートが美しいということは決してないと思ってます。
一方で、確かに同級生のノートを見ていると、きれいだなと感じることが多かったのも事実です。
では、「きれい」や「美しい」とは、具体的にどういうことなのでしょうか?
今回は卒業生の私が、同級生のノートを見て感じたことを元に東大生のノートについて考察します。
1. 多くの東大生のノートは読みやすい

1. 字が読みやすい人が多い
同級生を思い返してみると、単純に読みやすい字を書く人が多かったです。決して達筆とか、字のフォルムが美しいというわけではありませんが、読みやすいような字だなと感じることが多かったです。
もちろん女子の方が字がきれいですが、男子の中にも、読みやすいなと感じる字を書く人が多かったです。
2. きちんと整理して書かれている
東京大学では試験前に学生間で講義資料を共有する仕組みがあります。そのため、同級生のノートを見る機会がたくさんありました(手書きノートでなく、電子データで共有されることも多かったですが・・・・)。
何の目的でとられたノートかにもよりますが、講義時にとられたノートを見る限り、手が込んでいるわけではないけれども全体的に整理されているなという印象を受けました。とにかく多くの情報が詰め込まれているというよりは、必要十分な情報が整理して書かれているという印象でした。
3. カラフルではない
たまに、ノートをカラーペンでカラフルにしたり、蛍光ペンを使って重要箇所を強調したりする人がいますね。
カラフルなノートは確かにきれいで読みやすいと思いますが、東大の同級生の中に、このようなカラフルノートを作っている人はほとんどいなかったように思います。私自身も、基本的には2-3色程度しか使っていませんでした。
このように東大生のノートは確かに読みやすい傾向はあるように思います。ですが、それは一体何故でしょうか?
私が考える東大生のノートが読みやすい理由について、次の段落でお話しします。
2. 東大生のノートが読みやすい理由

1. 大学入試を突破する上で重要な能力である
東京大学の二次試験は筆記試験です。数学や理科の問題は答えが合っているだけでは不十分で、途中経過を書く必要があります。
東大の問題は難易度も高く、答えを完璧に合わせるのは簡単ではありません。そのため、部分点が合否を分けることもあります。
部分点をもらうには、自分の考えをわかりやす採点者に伝え、理解していることをアピールする必要があります。東大生の多くは、受験生時代にこのような訓練をしているので、講義内容を整理してノート上に表現する能力が高いのではないかと思っています。
2. 大多数の東大生にとって、受験生時代に部分点をかせぐことは重要だった
東大生の中には、東大合格者最低点を遥かに超える点数を取る人がいます。そのような人にとっては、多少部分点がもらえなくても問題ありません。
一方で、多くの東大生の入試点数は合格点周辺に集中しています。そのため、多くの東大生にとって合格するために部分点をかき集めていくことは重要なことだったのです。
実際に、圧倒的に数学のできるような友人達の中には、字が汚くて読めないような人もいました。あくまで個人的な意見ですが、超優秀層では、一般的な東大生よりと比べて字の汚い人が多かったような印象があります。
3. ノートをきれいにとることが本質ではない

ここまでお読みいただいた方はお分かりかと思いますが、とにかく美しいノートを作ることは本質ではありません。
ノートを作る目的は場合によって異なりますが、主な目的は復習とアウトプットの二つだと思っています。
1. ノートは自分が復習するためのツール
長期記憶のコツに関する記事でも書きましたが、記憶を定着させるには繰り返しの復習が重要です。その際に、覚えきれないことをメモとして残しておくことで、復習効率をあげることができます。
そのためのツールがノートなのです。
つまり、基本的には自分が見返して思い出せれば、基本的には問題ないと思います。他人が見て見やすいよう、カラフルにする必要などないのです。
2. ノートはアウトプットの練習場
勉強はインプットだけでは不十分です。試験本番は解答用紙に答えを書き出す必要があることからも明らかですが、いくら知識をインプットしてもアウトプットできなければ意味がありません。
その練習場がノートです。自分自身の思考を整理し、それを採点者に伝える訓練をするためのツールです。
試験でカラーペンや蛍光ペンが使えない以上、必要以上にきれいに色分けしても意味がないのです。
今回は東大生のノートについて考察してみました。いかがでしたでしょうか。
一番大切なのは、なんのためにノートを使っているのかをしっかり意識し、その目的を達成するために必要十分なノートを作ることだと思います。
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