こんにちは、そらです。
東大医学部を卒業し、現在は医師・医学研究者として働いています。
先日、理科2類から東京大学医学部医学科に進学する、いわゆる「医進」コースをたどる生徒の生徒の特徴について解説しました。
https://tetsumon-sora.com/ishin前回の記事を読んだ方の中には、
・医進する生徒の特徴がなんとなくわかったけども、もう少し具体的な話を知りたい
・実際に医進する生徒のタイプを知りたい
と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
もちろん医進生もそれぞれバックグラウンドは違うので、一括りにすることはできません。ですが、じっくりみてみると、ある程度のパターンはあるように思います。
そこで今回は、理2から進振りで東京大学医学部医学科に進学(医進)する生徒を4パターンに分類して解説します。
前回よりも少し掘り下げた内容になっていますので、今回の記事を最後まで読んでいただければ、より具体的なイメージを共有していただけるのではないかと思います。
1. 理3にも合格できる

まず一定数いるのが、理3にも合格できる人達です。
理2のトップ層は入学時試験で理3の最低合格点を超えています。実際に、私の友人には明らかに理3に合格できる能力があるのに理2に入っている人たちがいました。
皆さんの中には、
それだけのスペックがあるのになぜ理3を受けないの?
と思われる方もいらっしゃらるかもしれません。
実際は理3合格圏にいるけれども理3を受けない生徒も一定数います。事情は人それぞれですが、具体例を挙げるとすると、
- 入学時点では医学部にこだわりがなかった
- 自己評価が低く、本人の中では理3に合格できる自信がない
- 超安全志向で、確実に受かる理2を選択した
などがあると思います。このようなタイプの生徒は理1に多いイメージですが、理2にも少数います。彼らは元々のスペックが高いので、進学振り分けテストでもやはり高得点をとることができるのです。
2. 理3を諦めて理2に入学した

このタイプの生徒も結構いるイメージです。
具体的にいうと、
- 理3が不合格となり、後期入試or浪人で理2に入学した
- 理3を考えていたけども断念し理2に入った
というパターンです。
後者については、「理3を考えていた」かどうかの判定をどこを線引きするかで変わってきますし、そもそも他人の本心を知る事はできないので、正確な評価は難しいです。ですが体感でいうとすると、半数以上はどちらかのパターンに当てはまる気がしています。
彼らは入学当初から医学部ないしは高得点が必要な学部を念頭においているので、学期末試験に向けてしっかり準備を行います。以前にお話しした通り、医進はある程度運の要素もありますが、モチベーションや準備も非常に大切です。どんなに優秀でも、ある程度しっかり準備をしないと、全科目平均点で90点以上をとることは難しいのです。
ですが、このパターンはある程度リスクがあります。というのも、理3を諦めて理2に入学し医進を目指したものの、結局叶わなかったという例も決して少なくないのです。
医進できなかった人達は、
- 留年して翌年の進学振り分けで再チャレンジ
- 理3や他の医学部を再受験
- 学部卒業後に学士編入
- 他の理系学部に進学して就職
など、様々な進路を辿ります。
医進は運の要素も強く不確実性の高いルートなので、もし医者になりたいという確固とした志があるのであれば、私は東大に限らず医学部を受験するべきだと思います。
3. 部活動や行事などに熱中していた

医進する男子の中に一定数いるのがこのタイプです。
元々理3にも合格できるようなポテンシャルがありがなら、中学高校時代は部活動や行事に熱中していたため、理3合格ラインには到達していなかったという人達です。いわゆる「文武両道」な人達ですね。
私の友人の中には、あるスポーツを高3まで続けて、最終的にインターハイに出場し、そのまま現役で東大に入学した人がいました。彼は東大入学後に勉学に励み、最終的に医進しました。
元々高いポテンシャルを有する彼らが大学に入り勉強に打ち込むと、当然好成績を残します。東大には全学の部活動のほかに、医学部生だけの部活(鉄門〇〇部という名前がついています)があり、このパターンの生徒たちの多くは、医進後に入部する傾向にあります。やはり運動するのも勉強するのも好きな人達なんだと思います。
このタイプの生徒は、人間としての総合力も高い気がします。インターハイに出場した友人も、誰にでも優しい性格でした。人間的にも非常に魅力的で、患者さんに人気のお医者さんになるんだろうなと思ってます。
4. 一発勝負よりもコツコツタイプ

医進する女子の中に一定数いるのがこのタイプです。
個人ごとに得意な試験は異なります。受験のような一発勝負の試験が得意な人もいれば、コツコツ勉強するのが得意な生徒もいます。
医進には自分をコントロールし、定期的に勉強することが求められるので、いわゆるコツコツタイプの人には相性が良いです。また、必修科目は英語や第二外国語などの比重が高い上に、選択科目の中の語学系は比較的高得点が取りやすいため、語学が得意な方は高得点を取りやすいのです(ただし、理数系科目の比重も高いので、理数系科目である程度得点できる事が条件ですが)。
医学自体、膨大な暗記が必要な分野ですし、新しい知見がどんどん出てくるため日々勉強する姿勢が求められます。そう考えると、このようなコツコツタイプの人達は医者に向いているのかもしれません。
今回は理2から医進する生徒を4パターンに分類して解説しました。イメージできましたでしょうか。
前回の記事と合わせて読むことで、医進生の特徴をより詳しく理解することができるのではないかと思います。もし医進を検討している方がいらっしゃれば、参考にしてみても良いかもしれません。
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