こんにちは、そらです。筑駒→東大医学部を経て現在は医師・医学研究者として働いています。
読者の方から、こんな質問を頂きました。
そら先生はこれまで挫折したことはありますか?
これまでの人生で、周りからこのように言われることが多々ありました。私はこれまで受験で不合格になったことはありませんし、ストレートで大学を卒業して医師として働いています。
確かに経歴だけ見ると、「挫折したことないのかな」と思われるかもしれません。ですが、実際はそんなことありません。これまで何回も挫折を味わいましたし、強い劣等感を抱いていた時期もありました。
そこで今回は、私のこれまでの人生での挫折と、それを乗り越えた方法について話します。挫折で苦しまれている方の参考になれば幸いです。
1. 勉強面での挫折

1. 小学生時代の挫折
私は小学4年生の頃から大手塾に通い勉強をしてきました。中学受験時の生活や成績推移については以下の記事をご覧下さい。

結果的に筑駒中を含む7つの中学に全て合格しましたが、その道のりは決して平坦ではなかったです。
小学3年生時に受けた入塾試験で最上位クラスに入る事ができませんでした。4年生時に入塾した際には最上位クラスに入る事ができましたが、それでも姉の成績には遠く及ばす、肩身の狭い思いをしました。
以前の記事に書いた通り、姉は私と違って当初から優秀だったので、「お姉さんは優秀なのに・・・」というような雰囲気を周りから感じとってしまったのです。
その後、成績は上がったものの、小学6年生から自分より優秀な友人が入塾してきました。必死に勉強しましたが、中々彼の点数を超える事ができず、苦しみました。そのプレッシャーから、人生唯一の反応期に陥ってしまいました。
当時は家族に迷惑をかけてしまい、本当に申し訳なかったと思っています。
2. 中学生時代の挫折
私は中学受験の末、筑駒中に入学しました。筑駒での生活や勉強についてはこちらの記事をご覧下さい。

人生最大の衝撃を受けたのが中学1年生の時です。筑駒に入学した後に、周りの能力の高さに本当に驚きました。
当時の中学受験塾は全国の成績優秀者が毎回発表されていたのですが、そこでよく目にしていた友人がたくさんいたのです。特に算数オリンピックで入賞している友人達には、正直レベルの差を感じました。
中には高校生の時に数学オリンピックで3年連続で金メダルをとっていた同級生もいました。確か高3の時は歴代最高点だったと聞いた気がします。意味がわからないくらい優秀で、とてもじゃないけど敵わないなと感じました。
同級生や後輩にも、センター試験全国トップ、東大2次試験で歴代最高得点など、本当に意味わからないような人がいるのです。そんな環境で6年間過ごしたので、どんなに勉強しても劣等感が強かったというのが正直なところです。
2. 仕事面での挫折

1. 自分の特性が原因で適応できない場面があった
私は他の人よりも何かに熱中する特性があります。この特性は、勉強や研究、部活などでは非常に役に立ったと思っています。
一方で、日常生活で支障をきたしてしまう事も多々ありました。例えば、本や漫画に熱中していると、周りの声がほとんど聞こえなくなります。その為、家族や友人に迷惑をかけてしまう事もありました。
また、自分の興味のあることには夢中になるのですが、関心のないことに対しては「もっと知りたい」と言うような気持ちがあまり湧きません。そのため、私は分野によって知識に物凄いムラがあります。時には周りが盛り上がっていても中々話の中に入れず、苦労しました。
加えて、大人数での食事(特に立食パーティー)が苦手です。これは学生の頃から感じていました。一方で、仕事上コミュニケーションをとるのは得意ですし、少人数の仲の良い友人と話すのはすごく好きです。これも自分の特性なのかなと思っています。
2. 救急対応が苦手だった
2年間の初期研修期間は楽しかったですが、初めの3ヶ月程度はつらいという思いの方が強かったです。というのも、仕事に慣れたり病院のルールを覚えたりするのに、他の人より時間がかかるからです。
もしかしたら意外に感じるかもしれませんが、私は他の人よりも飲み込みが早くないです。そのため、どうしても同期と比べて仕事の習得が遅いなと感じる事が多かったです。
そしてもう1つ、救急外来での対応に苦手意識がありました。
私が研修していた病院では、夜間当直の外来を最初に見るのは研修医の仕事でした(もちろん1人で診察すると言うことではなく、上級医の先生とペアで診療します)。救急外来には時に重傷患者さんも運ばれてきます。その際は、
問診や診察で患者さんの病態を素早く把握する
→必要な検査オーダーする
→検査を待っている間に他の患者さんの診察をする
→1人目の患者さんの検査結果が報告されるので、結果を解釈して上級医に伝える
→上級医の先生が来られる間に別の患者さんの問診をする
というように、同時並行でタスクを行う事が必要です。そしてある程度のスピード感も大切になってきます。
私は元々じっくり考えることが得意な反面、いろいろなことに一度に注意を向けて対応するのが苦手でした。そのため、どうしてもストレスに感じてしまう場面が多かったです。自分にはできないような仕事をされている救急医や外科の先生方を心から尊敬しています。
3. 挫折を克服した方法

1. 自分は凡人だと認めて愚直に努力する
これに尽きます。私は12歳で筑駒に入学した際に、自分が凡人であることに気がつきました。小学校の時に必死に勉強したことのメリットは色々ありますが、最大のメリットは自分が凡人であることに早い段階で気付けたことだと思っています。
世の中には本当の天才がいるということを知ったので、私はとにかくコツコツ継続して学習していくしかないと感じました。そしてこれまでの人生でそれを実行してきました。
周りと同じことをしていてもどうしても彼らと自分を比べて凹んでしまうので、自分らしく、自分にしかできないことを見つけていこうと思うようになりました。
2. 自分の能力が発揮できる場所を選ぶ
人にはそれぞれ特性があります。そのため、得意なこと、苦手な事があるのです。
私にもこれまで話してきたように、私は「人よりも飲み込みが遅い」「複数のことに気を配りながら同時に作業する事が苦手」と言う欠点があります。その代わり、「じっくり考える」「何かに熱中する」「継続する」のが得意という強みがあります。現在はこれらの特性が生かせるような仕事をしており、非常に快適に過ごしています。
環境が変われば、パフォーマンスは大きく変わります。私自身、研修期間にいろんな診療科を回る事で強く実感しましたし、私自身の強みや弱みを再確認する事ができました。自分の特性を生かせるような場所を選ぶことは本当に大切だと思います。
4. 勉強や仕事が上手く行かないという方に伝えたいこと

私はこれまで非常に優秀な同級生に囲まれて生きてきました。その中でいろんな挫折を味わいながら試行錯誤し、自分の強みが生かせるような仕事を見つける事ができました。
経歴を見ると
「挫折したことないのかな」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
今回の記事を通して
- 筑駒・東大医学部生も挫折を味わいながら継続して努力していること
- 誰しも強みと弱みがあるので、自分の強みを生かせる場所を探す事が大切ということ
が伝われば幸いです。
今回の記事は以上になります。少しでも参考になる箇所があれば幸いです。
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